いつの時代も忍耐を強いられるのは女――。<br />昭和十九年。<br />五人の子供に恵まれ、大店のお家はんとして過ごす柚喜だったが、その穏やかな日々にも戦争の暗い影が忍び寄ってくる。<br />太平洋戦争が長引くなか、想いをあきらめ、夢を捨て、家を守るためにだけ懸命に生きた女たち。<br />血脈の愛しさと切なさを赤裸々に描き、母と娘の絆を問う壮大な家族の物語、感動の完結。<br />