第二の犠牲者となった番頭の横田が握りしめていたのは、譜本『綱館』の切れ端であった。<br />これはいったいなにを意味しているのか？ しかし捜査は進展のないまま、安東流家元・安東喜左衛門の傘寿記念の大演奏会の日がやってくる。<br />それはまた、一連の惨劇の幕明けの日でもあった……。<br />芸に生きる者たちの妄執と悲劇を華麗に描き、名探偵・伊集院大介を世に送りだした、第2回吉川英治文学新人賞受賞の傑作。<br />
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