星が降るような夜空の下、織江と初めて出逢ったのは、もう2年近くも前のことだった。<br />長崎へと進む船の上で、彦馬は出逢いの時のこと、そして離れ離れの月日のことを想っていた。<br />諸外国を巡るよう静山から任ぜられた彦馬は、一緒に日本を脱出するため、織江を待ち続ける。<br />だが、織江を狙う黒い影もまた、長崎の地へ向かっていた。<br />さまざまな想いが行き交う彼の地で、最後の戦いが始まる──。<br />「妻は、くノ一」、ついに完結!