侍は美しく生き、美しく死ぬもの――。<br />価値ある一生を全うし、侍の本分に殉じるため、四十七人は刺客となる道を選んだ。<br />「決して亡き殿の仇討ちのためではない。<br />相手の命を奪い、家を叩き潰す、これは合戦だ」。<br />大石の言葉に浪士たちの士気は極限にまで高まってゆく。<br />そして元禄十五年十二月十四日、要塞と化した極寒の吉良屋敷に決戦の火蓋は切って落とされた。<br />