江戸の猫鳴小路にて、骨董商<おそろし屋>を営む謎めいた女主人のお縁と、用心棒でお庭番の月岡。<br />お縁には、大奥にいた過去があった。<br />同じく骨董好きの将軍・徳川家茂の恩寵を受けていたのだが、その旺盛な好奇心と真贋を見極める才がゆえ江戸城の秘密を知ってしまい、逃げ出してきたのだ――。<br />ついに、江戸の存亡にすら関わる<おそろし屋>の曰くが、ある首壺とともに語られる。<br />深遠なる骨董奇譚、感動の完結巻!