柳橋の売れっ子芸者・玉勇は、千人の男に抱かれる〈千人信心〉の願をかけている。<br />男たちの家紋を刺青にして体に入れるのが、その証だ。<br />いつか、惚れた男の「桔梗紋」を刻み込みたいと願いながら、今は「四つ目紋」の男を情人にしている。<br />その体を、幕末を彩る男たちが通り過ぎてゆく。<br />最愛の男が命を落とし、別れと再会が錯綜する中、お玉は芸者の意地にかけ、江戸の粋と共に生きようとするが。<br />シリーズ完結。<br />第3弾、書き下ろし。<br />