旅涯ての地
〈山の彼方〉に辿り着いたマッダレーナと夏桂は司教ベルナルドにイコンを差し出した。
その中にはカタリ派が探し求めていた『マリアによる福音書』が隠されていた。
イエスの真の言葉がヘブライ語で書き記されたこの書が、ローマ教会の手で闇に葬りさられる前に、司教はラテン語への翻訳を急がせる。
しかし、衝撃的な内容を知った司教は倒れ、大子ジュリアーノまでが、異端審問官への密告で火刑に処される。
夏桂がもたらしたイコンが、村を、揺るぎないはずの信仰を、崩壊させてゆく…。
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