さぞ、いい声で鳴くんだろうねぇ、君の姉は――。<br />蚊吸豚による、村の繁栄を祝う脂祭りの夜。<br />小学生の僕は縁日で、からだを串刺しにされ、伸び放題の髪と爪を振り回しながら凶暴にうめき叫ぶ「姉」を見る。<br />どうにかして、「姉」を手に入れたい……。<br />僕は烈しい執着にとりつかれてゆく。<br />「選考委員への挑戦か!?」と、選考会で物議を醸した日本ホラー小説大賞受賞作「姉飼」はじめ四篇を収録した、カルトホラーの怪作短篇集!