「ヒトゴロシ」。<br />吉住にかかってきた電話。<br />それは一方的な罵りだった。<br />彼は身に覚えのない中傷に怒り、表示された番号に掛け直すのだが、それは使われていないものだった……。<br />その電話がきっかけで吉住は一つの事件を思い出していた。<br />自分が紡がなければならないもの、闇に魅入られてしまった者たちの物語のことを――。<br />常識のように、現実を浸食していく異形の恐怖を描いた傑作短編集。<br />