お見世出しとは、京都の花街で修業を積んできた少女が舞妓としてデビューする晴れ舞台のこと。<br />お見世出しの日を夢見て稽古に励む綾乃だったが、舞の稽古の時、師匠に「幸恵」という少女と問違われる。<br />三十年前に死んだ舞妓見習いの少女・幸恵と自分が瓜二つだと知り、綾乃は愕然とするが――。<br />千二百年の都・京都を舞台に繰り広げられる、雅びな恐怖譚。<br />第十一回日本ホラー小説大賞短編賞受賞の表題作に二編を加えた珠玉の短編集。<br />