自傷跡の残る左手首が発見された。<br />老刑事・井出川は女性ばかりの会社「約束の地」に不審を覚えるが、捜査半ばで謎の言葉を残して不慮の死を遂げる。<br />父の死の原因を探る文博は、その会社へと引き寄せられ、やがて姿を消す。<br />世紀の変わり目に急成長を遂げたその会社は、自傷癖のある男女を集め、演劇公演を企画した。<br />演目は、王女が男の生首を求める劇「サロメ」。<br />その舞台にすべての悪夢が集結していく――。<br />(『サロメ後継』を改題)