昔、昔……。<br />春のある午後、少年は森の中で、日にさらされて色褪せた雑誌が落ちているのを見つけた。<br />何げなくページを開いた瞬間、若い女性の全裸写真が視界に飛び込んで来て、思わず息を飲んだ。<br />少年はまだ7歳か8歳だったけれど、そんな少年でさえ、それが普通のものではないことくらい理解できた。<br />幼い少年にとって、それは目が眩むほどの衝撃だった。<br />そして思った。<br />いつか僕もこんなふうに女の人を、と――。<br />