桐生紫は女友達の家にあった鋏に触れようとした瞬間、手に電流のようなものを感じた。<br />「この鋏は血を流したことがある」。<br />小さな男の子の苦痛と恐怖が伝わってきた。<br />だが、その子が死んだかどうかまでは分からなかった。<br />――『鋏の記憶』より 物に触れただけで、それを所有していた人物の秘密を感知できるサイコメトリー(残留物感知能力)を使い、紫は未解決事件の手がかりをつかんでゆくが……。<br />