失業中の学芸員のわたしに、金沢のホテルの仕事が舞い込んだ。<br />伝説的女優にして作家の曾根繭子が最後の時を過ごし、自殺した場所。<br />彼女のパトロンだったホテルの創業者は、繭子にまつわる膨大なコレクションを遺していた。<br />その整理を進めるわたしは、彼の歪んだ情熱に狂気じみたものを感じていく。<br />やがて起こる数々の怪異。<br />繭子の呪い? それとも……。<br />ひたひたと忍び寄る恐怖に次第に侵食されていく日常。<br />絡み合う謎の正体は?! ドラマチックな長編ホラー。<br />