本物の天女ではとも囁かれる妖しき美貌の湯女・お藤。<br />その巧みな語りの噂を聞きつけて、和気湯には様々な客が訪れる。<br />珍しい女客とは、頭の形が異様な人形を作り続ける母と不気味な観音像の話を、湯女になるという女とは、首と腸のみで飛び回る異国の精霊の話を、熊のような侍とは、己の中の別人格に悩まされる話を――語り合うのだった。<br />お藤の前にまた、嘘とも真実ともつかぬ奇妙な物語が立ち上る。<br />傑作時代怪談、第2弾!