とある地方の商店街の一角に佇む古びた酒店。<br />二代目店主の片桐章は、本業のかたわら、配達を副業としていた。<br />片桐のもとには厄介な依頼が舞い込んでくる。<br />アイドルに差し入れを、いじめる上司に悪意を、そして未来の自分に届け物を。<br />無理難題にも真摯に対応していく片桐だったが、彼もまた心に大きな忘れ物を抱えていた。<br />なぜ酒店の店主が毎日黒いスーツで黙々と働いているのか?その秘密は彼の隠された過去にあった――。<br />