戦国時代末期。<br />越中の佐々成政は、天下取り寸前の秀吉の野望を挫くため、孤軍奮闘していた。<br />八方ふさがりの中、成政は、秀吉に対する徹底抗戦を家康に懇願しようと決意。<br />敵地を避けて家康に会うには、厳冬期の飛騨山脈を越える必要があった。<br />何度でも負けてやる――天下ではなく己の目前の道を見据えた、愚直な戦国武将。<br />その悲哀と苦悩、誇り高き生き様を描いた本格歴史小説。<br />第21回中山義秀文学賞受賞作。<br />解説・末國善己