昭和30年、春。<br />新任教師の明子は三重県伊賀の山里にある分校に赴任した。<br />小さな村ならではの誰もが顔見知りの人間関係や、無邪気な子どもたちが教えてくれる自然の美しさに、初めての地での緊張もほぐれていく。<br />そんな中、誰にも心開かず、突飛な行動をとる生徒・朱根のことが気にかかっていた明子は、思いがけない事情を垣間見る……。<br />清冽な空気とともに、人々の心の交流を丁寧に描きだす優しく温かい物語。<br />