杉本五郎中佐の著作『大義』を読んで、海軍予科練を志望する中学生の柿見。<br />だが戦争は、愛国少年の純粋な気持ちを呑み込み、挫折、絶望へと導いていく。<br />経済小説の大家である著者が、自らの戦争体験を下に天皇制の問題に切り込んだ異色作。<br />他に「軍艦旗はためく丘に」を収録。<br />