明治ガールズ 富岡製糸場で青春を
明治6年。
松代藩の中級武士だった横田家の娘・英は、持ち込まれた縁談に困惑していた。
密かに胸にあるのは、幼馴染みで使用人の息子、幸次郎。
けれど、身分違いの恋など許されない……。
一方、区長を務める英の父もまた、悩んでいた。
富岡にできるというフランス式の最新の製糸場に、区から工女を出さねばならないのに、誰も協力してくれない。
父の窮地が家族の話題にのぼったとき、縁談を断ろうとしていた英は、つい勢いで言ってしまう。
「わたし、富岡製糸場に参ろうと思います」そして区長の娘が富岡に行く、という安心感から、瞬く間に、個性溢れる少女たちが集まって……。
初めての長旅と共同生活、フランス式製糸場にフランス人上司。
初賃金とホームシック、そして恋……。
あの時代、あの場所に、青春があった。
少女たちの瑞々しい青春記録。
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