マガイの子 (角川ebook)
【第22回日本ホラー小説大賞〈優秀賞〉受賞後第一作】僕の姉は「取り替えられた」魔物なのか? 「マガイ」のおぞましい真実とは「山に棲む『紛(まがい)』という魔性の獣が里の子供を攫って喰らい、己の子とすりかえる」「『紛』の子は見かけは人間だが、長ずるに従って徐々に獣の本性を表し、里に災いをもたらす」現代社会では迷信扱いされる民話だが、鞍臥の人たちは今でも、心のどこかで信じている。
なぜなら、あたしがその「マガイの子」だからだ――。
いまは東京で美大生をしている坂見風哩は、8年前に「お山」で従兄が惨殺された現場に立ち会っていた。
従兄の死体は獣に食われたようだったが、風哩には事件時の記憶がない。
腫物のように扱われる田舎を出たものの、不穏な出来事が周りで続いている。
セクハラ教授とのトラブルで訪れた風変わりなスクールカウンセラーとの話で、夢に見る「マガイ」のことをついしゃべってしまい……。
一方、まだ鞍臥に住んでいる高校生の弟・怜治は、8年前に姉を助けてくれた円藤老人が、砂原という謎の研究者と最近共にいるのが気になっている。
砂原ら「聖泉協会」の人間は「お山」の「磨崖仏」を調べているというのだが……。
※本書は、2016年9月30日に配信を開始した単行本「マガイの子」をレーベル変更した作品です。
(内容に変更はありませんのでご注意ください)
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