望み (角川ebook)
東京のベッドタウンに住み、建築デザインの仕事をしている石川一登(かずと)と校正者の妻・貴代美(きよみ)。
2人は、高3の息子・規士(ただし)と中1の娘・雅(みやび)と共に、家族4人平和に暮らしていた。
規士が高校生になって初めての夏休み。
友人も増え、無断外泊も度々するようになったが、2人は特別な注意を払っていなかった。
そんな夏休みが明けた9月のある週末。
規士が2日経っても家に帰ってこず、連絡すら途絶えてしまった。
心配していた矢先、息子の友人が複数人に殺害されたニュースを見て、2人は胸騒ぎを覚える。
行方不明は3人。
そのうち犯人だと見られる逃走中の少年は2人。
息子は犯人なのか、それとも……。
息子の無実を望む一登と、犯人であっても生きていて欲しいと望む貴代美。
揺れ動く父と母の思い――。
『火の粉』の不穏な空気感と『クローズド・ノート』の濃密な心理描写。
両方を兼ね備え、執筆時、著者が最も悩み苦しみ抜いた、渾身の力作。
※本書は、2016年9月5日に配信を開始した単行本「望み」をレーベル変更した作品です。
(内容に変更はありませんのでご注意ください)
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