左近の桜
男同士が忍び逢う宿屋「左近」の長男、桜蔵(さくら)は高校を卒業し、大学に進学。
それを機に実家をはなれ、父の柾とその正妻と同居することになる。
しかし、やっかいなものを拾う‘体質’は、そのままで……大雨の朝、自転車通学の途中で事故にあい、迷いこんだ先は古着を仕立て直すという〈江間衣服縫製所〉。
その主の婆さんは着ていた服で浮き世の罪の重さをはかり、つぎに渡る川や行き先を決めるという――この世ならざる古着屋や巡査との出逢い、境界をまたいで往き来する桜蔵の命運やいかに――!?(この川、渡るべからず)匂いたつかぐわしさにほろ酔う、大人のための連作奇譚集。
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