声も出せずに死んだんだ
レオナと呼ばれる少女が「殺された」。
その少女は生身の人間ではなく架空のキャラクターだったが、ほんの数ヶ月前まで、レオナは彼のすべてだった。
だが突然、レオナは「殺されて」しまったのだ。
レオナを蘇らせるため、ネットに犯行声明をアップした吉永千裕がまず企てたのは、現実の少女の誘拐だった。
ネットで知り合った少女・星来を呼び出し誘拐を実行した千裕だったが、星来からの提案で、ある「勝負」を受けることになる。
それからふたりの、奇妙な旅がはじまった――。
千裕はいったい何を目論んでいるのか? 旅するふたりの「勝負」の行方は?驚きと切なさに満ちたラストが胸を刺す、異色の長篇ミステリ!※本作は第37回横溝正史ミステリ大賞の奨励賞受賞作「pH」を改題の上、加筆修正したものが底本です。
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