かわうそ堀怪談見習い (角川ebook)
わたしは「恋愛小説家」と肩書きにあるのを見て、今のような小説を書くのをやめようと思った。
恋愛というものにそんなに興味がなかったことに気づいたのだ。
そして、怪談を書くことにした。
郷里の街のかわうそ堀に引っ越したが、わたしは幽霊は見えないし、怪奇現象に遭遇したこともない。
取材が必要だ、と思い立ち、中学時代の同級生たまみに連絡をとった。
たまみに再会してから、わたしの日常が少しずつ、歪みはじめる。
行方不明になった読みかけの本、暗闇から見つめる蜘蛛、留守番電話に残された声……。
そして、わたしはある記憶を徐々に思い出し……。
芥川賞作家・柴崎友香が「誰かが不在の場所」を見つめつつ、怖いものを詰め込んだ怪談集。
※本書は、2017年2月25日に配信を開始した単行本「かわうそ堀怪談見習い」をレーベル変更した作品です。
(内容に変更はありませんのでご注意ください)
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