霊が見えるホラー作家の熊野惣介は、怪奇小説雑誌『奇奇奇譚』での連載を目指して、担当編集者の善知鳥とネタ探しを続けていた。<br />フィクションの存在のはずの怪人、さびれた大観音像の内部に棲みついた霊、不遇のアーティストが死を遂げた呪いの屋敷……。<br />ついに連載が実現しようとしたとき、ひるんだ熊野に対して善知鳥が「欲がなさすぎる」と怒り、ふたりは険悪に。<br />熊野が胸に秘めている、‘書かなければならない理由’とは?