龍華記【電子特典付き】
高貴な生まれながら、興福寺の僧兵に身を置く、範長。
興福寺を守る使命を背負う範長の従兄弟、信円。
そして、南都焼討からの復興に奔走する仏師、運慶。
時は、平家が繁栄を極める平安末期。
高貴な出自でありながら、悪僧(僧兵)として南都興福寺に身を置く範長は、都からやってくるという国検非違使別当らに危惧をいだいていた。
検非違使が来るということは、興福寺がある南都をも、平家が支配するという目論みだからだ。
検非違使の南都入りを阻止するため、仲間の僧兵たちとともに、般若坂へ向かう範長。
だが、検非違使らとの小競り合いが思わぬ乱戦となってしまった。
激しい戦いの最中、検非違使別当を殺めた範長は、己の犯した罪の大きさをまだ知らなかった──平家が南都を火の海にし、人々を憎しみの連鎖に巻き込もうとすることを。
* 電子書籍版特典として、本の旅人2018年10月号掲載の「澤田瞳子氏×朝井まかて氏対談」を収録しました。
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