桃の節句の前日、はなの働く一膳飯屋「喜楽屋」に、降りしきる雨のなかやってきた左吉とおゆう。<br />何か思い詰めたような二人は、「卵ふわふわ」を涙ながらに食べた後、礼を言いながら帰っていった。<br />だが、二人の忘れ物に気づいたはなが、追いかけると、そこには川に飛び込もうとする二人が……。<br />はなが事情を聞くと、店を持つために貯めた金を騙し取られ、死ぬしかないという。<br />(「握り雛」より)はなの料理で奇跡は起きるのか。<br />