愛と裏切りのコネリー家
お金と夜のためだけの結婚が、これほどつらいものだったなんて。
■彼にだけはこんな姿を見られたくなかった。
食堂(ダイナー)に現れたセス・コネリーに近づきながら、リンは思った。
詐欺師にだまされ莫大な借金を背負ったせいで、毎日働きづめだ。
きっとやつれてひどい姿に違いない。
案の定セスはリンの様子に気づき、事情を聞き出すと、仰天するような提案をした。
「君の夫として、借金を返済しよう」リンは少女のころからセスを想ってきた。
できればイエスと答えたかったが、人助けのためにプロポーズしただけかもしれない。
だが「これは本当の結婚なの?」という問いに、セスは熱い目をしてうなずいた。
リンの胸に喜びがあふれた。
うぶな彼女は気づかなかったのだ。
‘本当の結婚’とは、愛しているという意味ではないことを。
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