「手切れ金は払う。<br />父と別れろ」社長の息子ライルのその言葉を聞いたとたん、ケルサは彼の頬を打っていた。<br />ケルサ自身、なぜ入社早々社長に気に入られ、社長室付秘書のアシスタントに抜擢されたのかわからないが、愛人と誤解されるのは許せなかった。<br />頬を打たれたライルは怒りに満ちた目でケルサの腕をつかんだ。<br />そして次の瞬間、信じられない行動に出た。<br />