夕映えのロンドン
なんて酷い男なの! 先日の従妹の打ち明け話を思いだして、リーは怒りに震えた。
マット・ヒューム──大会社の社長が、自分の部下を弄ぶような真似をするなんて。
ふと、リーは目の前で食事を供にしている婚約者に目を移した。
彼はとてもよい人だし、そんなことはしない。
ただ最近は、リーからの愛情を感じられないと嘆いてはいるけれど。
ひとりでレストランを出て、エレベーターに乗った彼女は、狭い空間に火花が散るような感覚を覚え、衝撃を受けた。
奥に立つセクシーな男性の灰色の瞳から、なぜか目を離せない。
次の瞬間、抗えない力に引かれて、リーの唇が彼の唇と重なった。
■ハーレクイン・ロマンス創刊1979年から順次、その年の選りすぐりの1冊をお届けする〈ロマンス・タイムマシン〉。
あの懐かしい作品が、あの時代の思い出とともに鮮やかによみがえります。
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