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悪夢のあとには 記憶をなくしたら

リンの顔にはまだ、元夫の暴力による醜い傷跡や痣が残っていた。
最後に受けた暴力はとくにひどく、病院で目覚めたときには、記憶まで失っていた。
男性への恐怖心はいまだに消えなかったが、リンは立ち直ろうと、友人の兄キャルの牧場で家政婦として働きはじめた。
キャルは元夫とは違い、ことあるごとに彼女をいたわってくれる。
いつしかリンは、たくましいキャルに恐怖を感じなくなり、抱いていた感謝の気持ちも、愛に変わっていった。
だがそんなとき、元夫の死体が発見され、リンは殺害容疑をかけられてしまった。
記憶も戻らず、自分が殺人者かもしれないという思いに彼女は悩む。
キャルへの愛も空回りするばかりで……。
★‘記憶喪失の物語’――突然消え去ってしまった記憶。
もどかしさと闘いながら、切ない愛をはぐくむ恋人たちの物語です。




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