ドアの向こうに
彼女はだれのものにもならない女だという。
ならばなおさら、ぼくのものにしたい■パーティで周囲の視線を一身に引きつけて踊る赤いドレスの女。
たまらなくセクシーなその女性にブレット・キングは目を奪われた。
彼女の名前はナターシャ・ブライアント。
アクアマリンに近い淡いブルーの瞳、きらめく赤い髪が美しい。
だれのものにもならない女性さ、とブレットの友人は言う。
それでもブレットは彼女に近づき、さりげなく話しかけた。
長身でハンサム、悠然として気取りのないブレットが作家と知って、ナターシャも彼に興味を引かれた。
彼は大半の男性とはどこか違う。
内面のしたたかさを気さくな雰囲気で隠そうとしているようだ。
パーティのあと、二人は夜明けの街を歩きながら語り合った。
お互いの胸にまだ打ち明けられない過去を抱えたまま。
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