伯爵の無垢な乙女
父が戻ってくるまで、伯爵の屋敷で愛人として暮らすなんて!上流階級の生まれのルーシーは極貧生活を強いられている。
母が亡くなる前から賭博に手を出した父があちこちで借金を作り、そのたびに夜逃げを繰り返してきたから。
父が突然姿を消した今、路上でバイオリンを弾いて恵んでもらうお金だけが唯一の収入だ。
ある日、ルーシーの住まいに背の高いハンサムな紳士が現れた。
わたしをこんな生活から連れ出してくれる、夢の人……?だがルーシーの期待も空しく、その紳士――キャンボーン伯爵は険しい顔で彼女の父親を出せと言った。
莫大な借金があるというのだ。
父の居所にまったく心当たりがないとルーシーが震えながら告げると、伯爵は灰色の目を細めて、残酷な提案をした。
■上流階級の娘でありながら貧しい暮らしを強いられるルーシーと、広大な屋敷で何不自由なく育った伯爵のジェームズ。
本来なら出会うはずもなかった二人の間に芽生えた恋の行方は? 不遇にめげずひたむきなヒロインに涙する、エリザベス・ロールズの感動作。
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