無垢なカナリアと王子
どん底を味わって初めて知った――人は愛のためにこそ闘うのだと。
アマリーはパリの管弦楽団のバイオリン奏者。
かつては神童と呼ばれ、卓越した才能を輝かせていたが、ある出来事をきっかけに心を閉ざしたまま、今は面影もない。
いつものように楽屋でひとり練習に没頭していた彼女は、突然現れたゴージャスな男性に声をかけられ、固まった。
彼はヨーロッパの小国、アゴン王国の王子タロスだと名乗り、アゴン王の即位記念音楽祭でアマリーに演奏してほしいという。
そしてこうも付け加えた。
断れば楽団は解散することになる、と。
なんて横暴なの! 演奏したくても……今の私にはできないのに。
■ヨーロッパ中の女性から、‘理想の恋人’に選ばれるほど注目を集める王子タロス。
彼が惹かれたのは、弱小楽団の冴えないバイオリニスト、アマリーでした。
しかも彼女には隠された秘密が……。
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