君主と砂漠の秘め事
彼の誘惑は計算ずくだった──砂漠の国へと連れ去るための。
結婚式当日に花婿が現れないという屈辱を受けて以来、リビーは世間から半ば身を隠すようにして暮らしてきた。
ある日そんな彼女のもとを、砂漠の国の国王サラディンが、従者も連れずにお忍びで訪ねてくる。
リビーの持つ、特殊な技能の評判を聞きつけてきたのだという。
彼から協力してほしいと頼まれたが、リビーはきっぱりと断った。
その直後だった──停電が起きてふたりが闇に包まれたのは。
リビーは蝋燭の炎に煽られるようにサラディンの誘惑の手に落ち、一夜にして彼の強引な要請までも受け入れてしまうが……。
■彼の砂漠の国が想像を超えた男尊女卑の世界であることにリビーが気づいたときには、時すでに遅し。
冷淡なサラディンから邪険に扱われても嫌いになれない、彼女の切ない心情が胸に迫ります。
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