明日への扉
5年前に口もきけなくなるほどの恐ろしい目にあい、極度の男性恐怖症になってしまった19歳のクレア。
そんなクレアを、兄は片時も目を離さないように見守ってくれた。
だが、ある夜、家に誰もいない隙に、見知らぬ男が現れる。
優しい兄が、旅行中にギリシアで大けがをしたというのだ。
男に攫われるようにしてクレアは、エーゲ海の側に立つ美しい屋敷に赴くと、容貌際立つその男は、自らが当主、ラーザー・ヴァルダカスだと名乗り、彼女に冷酷にも告げた。
「君の兄さんは僕の妹を穢した。
同じことを君にさせてもらおう」
更新中です。しばらくお待ちください。