悪魔に恋したメドゥーサ
夜のパリの街――古城の壁面に鎮座する悪魔の彫刻に目を留め、メドゥーサは一目散に屋上へと駆け上がった。
男性器を持つ悪魔の彫刻を見つけたのは初めてだった。
目が合った男をたちまち石に変えてしまうメドゥーサにとって、元から石でできた彫刻は欲望を満たす格好の相手。
はるか昔、海神ポセイドンに陵辱されたあと、女神アテナに恐ろしい魔力を授けられて以来、メドゥーサは永遠の時を生きてきた。
誰も愛さず、誰からも愛されぬ孤独の中で。
ところが、絶頂に達したそのときだった。
突如、彫刻の悪魔が生命を持ち、動きだしたのだ。
やがて悪魔は、この世のものとは思えぬほどのまばゆい美青年の姿に変わって……。
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