伯爵と秘密の小部屋で
19世紀初頭、秘密にあふれた英国マナーハウスを舞台に、1冊の本が、薄幸のヒロインを真実の愛へ導く――。
美しき郊外に立つ瀟洒な館、ソーンクリフ。
両親らとしばらくそこに滞在することになったクロエは、亡き祖父の旧友から頼まれ事をしていた。
館からある1冊の本を捜してきてほしいというのだ。
その本があれば祖父の死の謎がわかるかもしれない――そう聞かされ、クロエが図書室を探っていると、同じく館を訪問中のウッドフォード伯爵にでくわす。
不幸な生い立ちの伯爵は、見目麗しくもどこか陰のある男。
どぎまぎしつつ、あたりさわりのない会話をしたクロエだが、まさか伯爵も同じ本を捜しているとは、そのときは思いもせず……。
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