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氷の仮面

ロンドンの最高級ホテル、リッツのレストラン。
スティーブンがポケットから取りだしたダイヤの指輪を見てキャロラインは目をみはった。
プロポーズに迷いながらもイエスと答える。
やがてお祝いのダンスを終えたとき、社長が近寄ってきた――マーク・ライダー。
鋼色の目と漆黒の髪を持つ、彼女の上司。
ダンスに誘われ、マークの手がウエストに触れた瞬間、キャロラインの全身に震えが走った。
マークの秘書として働き始めて以来、ずっとこの感覚に抗ってきた。
彼を見るたび、気持が高ぶり、そして不安になる。
わたしはスティーブンを愛しているはずなのに……なぜ?■〈ロマンス・タイムマシン〉と題してその年の名作をお贈りする企画、1994年の今回は、大御所エマ・ダーシーに次ぐ驚異の販売部数を記録した伝説的作家、サラ・ホーランドが登場。
究極の傲慢ボスヒーローの熱烈アプローチに、やがて秘書はメロメロになって……。




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