ひと夏の恋は遠く
パーティに姿を現した男性を見て、ジェイシーの鼓動は速まった。
10年前に別れた、傲慢でハンサムなレオがそこにいた。
目を閉じると、封印していた悦びや胸の痛みが甦ってくる。
まばゆい太陽のもと、彼の魅力に抗えなかった日々が。
レオとは結婚まで考えたが、彼はギリシアの大物実業家で、しかも思わぬ誤解から娼婦と侮蔑され、手酷く捨てられたのだ。
それなのにいま、レオは臆面もなく彼女を誘惑してきた。
微笑の裏に嘲りを潜ませて。
「いつもこうしてじらすのか? じらされるのは好きじゃない」
更新中です。しばらくお待ちください。