富豪ゆえの束縛
ダニーはロンドン郊外の大きな屋敷で庭師として働いている。
屋敷の主は家のまわりに高い石塀を巡らし、つねにボディガードに囲まれて暮らしており、いまだ姿を見たことはない。
きっと人間不信の哀れなおじいさんに違いないわ。
ある夜、庭の芝を刈っていたダニーは背後からの声に驚いた。
振り向くと、若くハンサムな男性が睨みつけている。
彼こそがこの屋敷の主、ピアス・サザランドだった。
謎めいたピアスの魅力に惹かれ、ダニーは身も心も捧げるが、彼の言葉は、あまりにも冷たいものだった。
「僕が君を愛することは決してない。
期待するな」■1987年に刊行された、人気作家キャロル・モーティマーの意欲作です。
謎めいた過去を持つ人間不信の大富豪を愛してしまった、貧しく無垢なヒロイン。
彼の心は固く閉ざされたままで……。
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