億万長者と籠の小鳥
こんなに優しくしてくれるあなたが、誰も愛せない冷酷なひとだというの?自動車事故に遭い、病院で目覚めたエイプリルは愕然とした。
自分の名前も、過去もまったく思い出せない。
見舞いに訪れた黒髪のハンサムな男性――セスのことも。
胸がこんなにどきどきするのはなぜ? 彼は……私の恋人?だが、セスは有名ホテルチェーンの経営者で、初対面だと告げた。
彼の弟がエイプリルの同乗者で、事故で命を落としたのだが、直前にホテルの一つを譲る契約を結んでいたらしい。
入院中、ずっと彼女の体調を気遣い、優しく接してくれるセスにエイプリルは日々癒やされていった。
まさか彼がホテルを取り戻すため、自分を誘惑しようと企んでいるとは夢にも思わず……。
■愛を信じない非情なホテル王セスに、ひと目で惹かれてしまったエイプリル。
一方のセスは、彼女が色仕掛けで亡き弟のホテルを手に入れたと疑い、彼女の記憶喪失さえ演技だと思い込んでいて……。
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