消えた記憶と愛の証
妻は夫にキスをねだった。
つらい記憶をすべてなくして。
夫はどこ? わたしは、いつ子供を産んだの?4カ月ぶりに昏睡から覚めたスカイは困惑しきっていた。
夫のジェイクとは大恋愛のすえ、両親に結婚を猛反対され、駆け落ち同然で故郷の街を出た――なのに今、彼女は故郷の病院にいる。
しかも夫は億万長者となり、娘まで生まれていたのだ。
事故の後遺症で、記憶はところどころ抜け落ちてしまったが、夫の優しい笑みと情熱的な口づけを思い出すと、スカイは心が安らいだ。
だが見舞いに来た夫のぎこちない様子に、ふと言いしれぬ不安を覚える。
愛のかけらも感じない、短く義務的なキス……。
いったい、わたしたちの間に何があったのだろう。
■ドラマチックな作風で話題沸騰中のRITA賞受賞作家、サラ・M・アンダーソン。
人気の記憶喪失をテーマに描かれる今作は、心がすれ違ってしまった夫婦が、失われた記憶を取り戻す中で、愛を思い出していく感動作です。
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