侯爵の逃げ出した花嫁
離婚でも婚姻の取り消しでもいい。
侯爵との結婚という枷から逃れられるなら。
ベリンダの結婚式の最中、突然、威圧するような男性の声が響いた。
「ベリンダはぼくの妻だ。
2年前、ラスベガスで結婚式を挙げた」声の主は不動産王のイースターブリッジ侯爵ことコリン・グランヴィル。
最高級のスーツに身を包んだ愛しい男性の姿を見て、ベリンダの体に狂おしいほどの情熱が甦る――2年前、訪れたラスベガス。
ハンサムでセクシーな彼の甘い誘惑に我を忘れ、愚かな言葉を口にした。
‘結婚するなら、あなたのベッドに行くわ’まさか本当に結婚式を挙げて、ベッドへさらわれるとは思いもせず。
でも翌日、結婚は白紙撤回したはず……。
「いや、ぼくたちは夫婦だ」彼は傲然と言い放つ。
今この瞬間から、妻としての義務を果たせと。
■D-1745『伯爵のかりそめの妻』、D-1775『公爵に捧げた無垢な恋』に続く関連最終話です。
逃げるヒロインを追い続ける侯爵の、傲慢すぎる情熱愛は圧巻! さすがUSAトゥデイのベストセラー作家、と納得の逸作をどうぞお楽しみください。
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