光と影のはざまで
ニースのヴィラ・ジャスミンで催されるパーティは盛況だった。
主催者はジョアンヌの母。
輝くばかりの美貌の持ち主である。
その母親の陰で、ジョアンヌは20年間ひっそりと生きてきた。
ところが、巨額の財産を一世代で築き上げた投資家ベンとの出逢いが、ジョアンヌの運命を狂わせる。
彼の心を射止めたくて、生まれて初めて化粧をし、消え入るような思いで真紅のドレスに身を包んだのだ。
だが、彼は見もせず、母のもとへと向かった。
胸の痛みに耐えかねて、ジョアンヌはそっと顔を伏せた。
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