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シトロンの香る島

ギリシアの実業家で、大富豪のミコノスはマーサの愛する夫だが、二人はしばらく別居している。
娘が生まれたとき、夫は、マーサが不貞を働いたと罵った。
マーサの知人男性を名指しして、あの男の子どもだろう、と。
あまりの言いがかりに、マーサは赤ん坊と家を飛び出した。
夫が誤解を悔いて迎えに来てくれるのを待ったが、5年もの月日が流れ、ついに夫が現れたとき、マーサの期待は残酷にも打ち砕かれた。
夫は娘を自分の子だと認めた一方で、ベビーシッターを雇い、娘をマーサから引き離そうとしたのだ。
いや、それとも、マーサを娘から引き離し、妻を再び自分だけのものにするためか……。
■ロマンスの大御所A・メイザーが70年代に執筆した、古典の雰囲気漂う夫婦元さやの物語です。
富も愛も惜しみなく注いでくれていた夫は、なぜ突然あらぬ誤解をしてしまったのでしょう。
ラスト、思わず絶句するような秘密と愛憎劇が明かされます。




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