愛なき君主の手に堕ちて
灼熱の愛は儚く消える――彼の最も輝ける日に。
「君を我がスイートへ連れていこうと考えている」ザジニア国の美しき王太子ケダの熱い視線に、臨時秘書のフェリシアは服をはぎ取られたような気分になった。
私の仕事は彼を反対勢力の画策から守り、王位継承に導くこと。
愛の営みなど、契約には含まれていない……。
だが、彼女がケダの強烈な魅力に屈するのは時間の問題だった。
無上の喜びの果てに小さな命を授かったフェリシアは、ふさわしい花嫁を娶る身のケダを思い、彼のもとを黙って去った。
見返りのない愛に疲れ果て、深く傷ついた心を抱えて。
■人気作家C・マリネッリの異国情緒溢れるロマンスをお届けします。
特殊な環境で育ったがゆえに感情を排して生きてきたフェリシア。
そんな彼女がなすすべもなく絡め取られた身分違いの愛のゆくえは……。
美しき傲慢ヒーローの絶対的な存在感をお楽しみください!
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