さよならを言わせて
もう誰も愛さないと決めたのに。
あの人は離さない――私の瞳と、心を。
大公の婚礼を控えたヨーロッパの国へ出張に来たエイプリルは、巨大企業のカリスマ的な経営者マーカスと対峙した。
ハンサムな億万長者である彼は大公の補佐役でもあり、仕事で大公家の秘密に近づこうとする彼女を阻もうというのだ。
ところが、初対面の険悪な緊張感とはうらはらに、今まで感じたことのない魅力を感じ、エイプリルの胸はときめいた。
もう誰も愛さないと決めたのに……。
最愛の息子を失ったあの日に。
過去に悲劇を経験したことのある彼女は、恋愛に慎重だった。
なのに、やがてマーカスの魅力にとりこまれ、一線を越えてしまう――めくるめく夜に紛れて我を忘れ、身ごもらぬ策もとらずに。
■ハーレクイン小説の粋を集めたような本邦デビュー作『白鳥になれない妹』で話題をさらったニーナ・ミルン。
ハーレクイン愛好家の母からそのDNAを受け継いだ作家が描く、過去の悲しみを乗り越えて幸せをつかむシンデレラ・ストーリーです。
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