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公爵のためらい

たった一夜の絆だったけれど、隠しおおせるはずもなく……。
「こちらはデイトン公爵よ」紹介された相手を見て、ヴェリティは激しく動揺した。
10年前、デイトン公爵は社交界で放蕩者の浮き名を流していた。
かねがね噂を聞いていたヴェリティの憧れの存在でもあった。
そう、あれは公爵とちょうど同じ屋敷に滞在していた日、彼女が家の借金のために無理やり嫁がせられる直前のことだ。
最後の思い出にと切なる願いを胸に、公爵の寝室を訪れたのだった。
月日は流れたのに、彼は当時と変わらずハンサムで魅力的だ。
でも、あの秘密は絶対に知られてはいけない……。
彼女は髪色も顔立ちも彼に似た娘の手を引き、その場から逃げ出した。
■ヴェリティはかつて意に染まぬ結婚を余儀なくされ、せめて一夜、憧れの人の腕に抱かれたいと思い余った行動に出たのでした。
それから時が過ぎ、初めて会うにしては妙にヴェリティの娘と気が合うデイトン公爵。
彼は逃げ出した母娘を追って、自宅に押しかけ……。
*本書は、ハーレクイン・ヒストリカルから既に配信されている作品のハーレクイン・ヒストリカル・スペシャル版となります。
ご購入の際は十分ご注意ください。




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